講師紹介

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藤井 誠子先生

藤井 誠子(ふじい せいこ)先生

大阪局所属
60歳 日本和装着付け講師歴11年
2人のお嬢さまは2年前に独立し、現在はご主人と2人で奈良に在住

日本和装の着付けはエレガント

天真爛漫・自由奔放だった6歳の時。

2014年春から奈良支部長を務めている藤井先生は、日本和装の講師歴11年目を迎えるベテラン講師。
30代の頃に着付けを習い、講師の資格を取得、そこで教えていたという経歴も持つが、「日本和装の着付教室は他とは違うのよ」。なぜ?と問いかけると「だってエレガントに着られるようになるでしょ」と、端的かつ明快な即答が返ってきた。

昔、着付教室で教えていたのは、あくまで着るためのテクニックだけ。「でも日本和装は、きものの歴史や職人による伝統技術の素晴らしさを学び、稀少性の高いきもの、帯などを見て本物の価値を見極め、コーディネート力も養う。さらに、卒業してからも自信をもってきものでお出かけするために、さまざまな<着る機会>を作っています。だから日本和装の講師は、きものの道を教える道先案内人」だと力強く語る。これから習おうと思っている方はもちろん、きもの好きな方にとっても、何とも頼もしい言葉ではないだろうか。

普段はやさしく、時に厳しく?

文学少女で“夢見る夢子さん”だった16歳の時。

「実家が吉野の旧家だったので、おじいさんが紋付袴を着ることが多かったんです。子ども心にそれがとてもカッコ良くて憧れましたね」。きもの好きが高じて、今や着付け講師を天職と思うようになった藤井先生。8年前に教えた生徒さんから「娘が18になったのだけど、成人式の振袖はどうしたらいいんでしょう」と相談されるほど、絶大な信頼を寄せられている。「その方とはしばらく連絡を取っていなかったので、嬉しかったですね。お嬢さんの着付けも、私がさせてもらいました」

藤井先生はとにかく「人が好き」。たとえば教室の中でみんなと馴染めない人がいても、どんどん話しかけ、知らないうちに相手の心を開かせてしまう魅力の持ち主だが、一つだけ、許容できないことがあるそうだ。それは「人の道にはずれる」こと。「普段はけっして怒らないけれど、これだけは絶対にダメ。相手が生徒さんでも、たしなめたこともありますよ」。うわべだけの優しさではない、相手のことを心底思いやる心。藤井先生が慕われる理由がまた一つ垣間見えた気がした。

きものが一筋の光明に・・・

1989年、次女の入学式にて。

だが、明るく元気な藤井先生の人生にも、暗い影が落ちた時期があった。先生が49 歳の頃、お義父さまに続いてご主人が病気になり、心労が重なって精神的に追いつめられてしまったのだ。「花を見てもきれいに感じない、テレビも面白くない、元の生活に戻れるかどうか、まったく先が見えませんでした」

鬱(ふさ)ぎがちだった気持ちを前向きにさせてくれたのは、ほかでもない、きものだった。「私の状態を知った友だちが『すぐに講師の生活に戻りなさい』とアドバイスしてくれたんです。彼女が東京に引っ越し、日本和装の講師をしていた関係で、私も日本和装で講師を務めることになりました」
そんな経験もあり、あらためて「仕事は大事」だと痛感した藤井先生のモットーは、山本五十六の名言「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、 ほめてやらねば、人は動かじ」。先生の授業風景が「生徒さんの心を動かし、やる気を引き出してくれる」とスタッフ陣からも評判が高いことは言うまでもないだろう。

先ずは自分のために楽しんで、輝いて!

2014年に完成した奈良教室で、ジローラモ氏の等身大パネルと2ショット。奈良のことが記された百人一首が目を惹く特製のきものの文字は、日本和装とご縁のあった方が書いてくださったもの。

人気講師とあって、藤井先生の日常は忙しい。現在、奈良の教室をたくさん受け持つほかに、週に2日ほど大阪でも教えていて、夜間教室の授業がある日は帰宅が午後11時を過ぎてしまうこともしばしば。

「でも、日本和装の講師になってからは、主人が朝ごはんを作ってくれるのよ」。世の奥さま方から思わず「羨ましい〜」と声があがりそうだが、そもそも藤井先生は、昔の講師時代には仕事で遅くなって帰宅しても、それから洗濯、早朝からお弁当作りと家事には一切手抜きをしなかった頑張り屋。だからこそ、女性たちに伝えたいことがあるという。 「仕事や家事など、いろいろ大変でしょうけど、せっかく女性に生まれてきたんだもの、もっともっと、自分のために輝いて楽しんでほしいんです。素敵なきもの姿の女性は『きれいね』と注目されます。私も娘から「お母さんは、きものを着ると変わるよね」とよく言われますが、背筋が伸びてしゃんとし、心が豊かになって笑顔が増えるのでしょうね。笑顔の素敵な人は、傍の人も幸せな気持ちになります。外見はもちろん、人の内面をも輝かせるきものって、ほんとうに『不思議な力』があると思います」

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